製版用語

校正
原稿やレイアウトの指定との比較をおこない、校正刷り上で誤りや不体裁の体裁を指示する作業のことです。文字組版の校正刷り都も呼ぶが、活版組版をゲラという台に入れたまま校正機で刷ったことが語源です。文字原稿の校正は、一人でおこなうと突合せ校正と、二人一組でおこなう読合せ校正があります。校正刷りに誤りがあれば、訂正文字あるいは校正記号を赤字で記入します。1回目の校正を初校、2回目を再校、以下、三校、四校とよびます。著者がおこなう校正を著者校正、著者または編集者に見せる前に印刷会社がおこなう校正を内(うち)校、著者または編集者から任されて印刷会社がおこなう校正を責任校正、著者または編集者が印刷会社でおこなう校正を出張校正といいます。校正を終了したものを校了といい、残った訂正箇所を印刷会社の責任に任せた校正を責任校了といい、責了と書きます。また、印刷会社からの校正刷りを著者または編集者に回すことを回校(出校)といいます。多色刷りの校正は、原稿と照合して色の調合が再現されていますが、色のバランスは崩れていないかおもに点検し、色校正とよびます。

初校(しょこう)
第1回目の校正を初校といいます。

図柄校正(ずがらこうせい)
仕上がり寸法、文字組みの位置、画像の配置などが版下用レイアウト指定通りの内容になっているかどうかなどをチェックします。

三校(さんこう)
再校戻しの赤字を直した3回目の校正のことです。さらに繰り返す場合は、四校、五校となります。

責了(せきりょう)
責任校了のことです。直し箇所が少ない場合など、印刷所が責任ももって校了することを前提に発注者が校了することです。

念校(ねんこう)
著者・編集者が、校了の直前に念のため重要な箇所を確認の為の校正のことです

校了(こうりょう)
校正が完了することをいいます。

色校正(いろこうせい)
仕上がり寸法、見当精度、製版用レイアウト指定通りの内容になっているかどうか、図柄の色調整、傷、汚れの有無、網点の太り、刷り濃度などをチェックします。上がってきた色校正に対し赤字を入れる場合は、その色校正紙に直接書き込みます。再校・初校・責了にならず、初校戻しの赤字を直した2回目の校正のことです。

CTP
(1)デジタルデータからフィルムなどの中間物をつくらず版材に直接露光して刷版を作成する方式です。版材はサーマル型、ポリマー型などの専用版材や、従来より使用されているジアゾ型などが使用されます。これらの版材は露光感度がフィルムなどと比較すると低いため、出力機の光源にはヤグレーザや赤外線レーザ、高圧水銀灯などの高出力なものが使用されています。出力機は版材がどのようにセットするかにより、外円筒方式、内円筒方式、平面方式があります。(同意語)ダイ・レクト刷版
(2)デジタル印刷システム
(3)DI

dpi
dot per ichの略。1センチ当たりのドット数を表している。プリンタでは300、600、1200dpiがよく使われています。ディスプレイなどの表示装置では72dpi以上が用いられれています。

PS版(ぴーえすばん)
感光剤が塗布されたPhoto Senstitiveな版で、最終像を合成したフィルムを版に密着し、露光・現像することでインキの載る部分とインキの載らない部分を設ける版材のことです。

PS版
親水性層をもたせたアルミニウムに感光液をあらかじめと付してある版材のことです。製版用のフィルムを密着させて露光することで、感光性樹脂の化学変化によって、平版印刷の版が作成されます。PS版には、露光した部分が硬化して感光性樹脂が残留するネガ型と、露光した部分にはインキが溶解するポジ型の2種類があります。感光性樹脂が残留した部分にはインキが着き、溶解して親水層が現れた部分にインキが着かないため、平版印刷が可能となります。

刷版
印刷機にかける版、または版を作ることをいいます。版の画像部にインキを付着させ、紙などの記録材に転写します。

文字校正
入力した文字を原稿と比較して、誤字、脱字、文字・用語の統一などの確認、書体、文字サイズ、組み体裁の指定とのチェックを行うことをいいます。訂正はJISの校正記号を使い、赤文字で記入します。

見当(けんとう)
見当合わせのことです。多色印刷における重ね合わせの位置や単色印刷における表面と裏面の位置、用紙を折るときの折位置を合わせることです。

網角度
網点で階調を表現する際、各色の版をそのまま重ねると発生する意図しない模様(モアレパターン)を防ぐために、色版ごとに異なった網角度が設定されます。

セッター
イメージセッターともいいます。画像を含む文書データをイメージデータ(一画素ごとのデータ)に変換し、フィルムや印画紙またはCTPプレートに直接露光・現像する装置のことです。

平版
最も一般的に用いられます。

平凹版…きわめて精密な製版ができ印刷された画線が盛りあがっているため、写真で複写しても影を生じて印刷物からの複製が不可能なため、有価証券等に多く用いられる。

多層平版…大きさが同一で深さの異なる無数の四角な子孔でできた版面で、画像の濃淡は、その子孔の中にあるインキによって現わされるので、ほかの版式のもたぬ深みがです。大量の印刷物を高速度で印刷できる。

平凸版…重厚な美しい色彩印刷が大部数、高速で印刷できる。

コロタイプ…きわめて精密な製版ができ印刷された画線が盛りあがっているため、写真で複写しても影を生じて印刷物からの複製が不可能なため、有価証券等に多く用いられる。

凸版
版面に高低があり、その高い部分にインクが附着し、圧力によってそれが紙面に移って印刷が行われます。(例・活字の印刷)

木版…板目に彫刻する。

亜鉛凸版…線画の製版に多く用いられる。

銅凸版…特に精密を必要とする場合の凸版。

網伏せ凸版…亜鉛凸版の一部分に網目または地紋などを焼きこんだもの。

写真版…網版、または写真銅版ともいう。銅板を使う。

ハイライト版…鉛筆が、或毛筆画等の原稿から製版したもので、原稿の白い部分は完全に網点がない。

原色版…三色版或は四色版、色彩のある原稿を写真的に三つの原色を分解し、赤、青、黄の三つ、或はそれに墨を加えた四つの写真版を製版して各々のインキで刷り重ね原稿の色を表現する。

トンボ
印刷物を仕上がりサイズに断裁するための位置合わせや、多色刷りの見当合わせのために、版下の天地・左右の中央と四隅などに付ける目印のことをいいます。天地・左右の中央に付けるトンボをセンタートンボ、仕上がりサイズの四隅に配置するものを角(かど)トンボと呼びます。印刷物の種類に応じて折りトンボなども用いられます。

凹版
インキの附着すべき部分が、地の部分より低く窪み、その深さは一定しません。深さによってインク膜の厚さが異なり諧調がでます。

インキは一回版面全体に盛られ、不要な部分に附着したインキは、ドクターで掻きとられて画線にだけインキを残して印刷が行われます。

彫刻凹版…きわめて精密な製版ができ印刷された画線が盛りあがっているため、写真で複写しても影を生じて印刷物からの複製が不可能なため、有価証券等に多く用いられる。

グラビア…大きさが同一で深さの異なる無数の四角な子孔でできた版面で、画像の濃淡は、その子孔の中にあるインキによって現わされるので、ほかの版式のもたぬ深みがでる。大量の印刷物を高速度で印刷できる。

多色グラビア…重厚な美しい色彩印刷が大部数、高速で印刷できる。

ドクターブレッド
版の余分なインキをかき取る刃のことをいいます。

見当
カラー印刷などの重ね刷り、裏表印刷や折り時の位置合わせのことです。カラー印刷時にはトンボ(+字の印)を用いて位置調整が行われます。

スクリーン線数
階調を網点で表現する場合に、網点を構成するスクリーンの密度の単位のことをいいます。1インチ当たりの線数を示しており、この線数が多いほど微細になる。新聞では60~80線、美術書では175~200線が用いられる。

面付け
原紙一枚に対して断裁時の無駄が出ないよう複数ページ分を割り付けることです。印刷後の折り加工の状態まで考慮して割り付けられます。「4割付」や「8割付」などと呼ばれます。

レジストレーション
カラー印刷において、CMYKの全版100%で印刷するをいいます。使用されるのはトンボなどで、通常は版ズレの有無などの確認用に限られます。

組版
本来、組方指定書や原稿に指定されたページの体裁に仕上げることをいい、活字組版がその基本となっています。活字・込め物・インテルなどを使用した組版の考え方と要素をもっており、それを受け継いだ版下作業では技術が継承されてきました。しかし、DTPでは本来の組版としてではなく、DTPソフトをつかった文字組版によりレイアウトとしての体裁を整えることを組版といっています。

全版
シート印刷機の基準となる寸法のことです。A列全判(625×880mm)、B列全判(765×1085mm)などがあります。

耐刷力
印刷版がすることのできる限界を通し枚数です。耐刷力の限界は明確に決めにくく、印刷条件などによって一定しないが、一般に、印刷物の品質が明らかに低下し始めたときをもって、その版の寿命がつきたとします。(同意語)版もち

台割り
一度に印刷されるページ数に、総ページ数を分割することをいいます。

多面焼付け
1枚のフィルムから、感光液と塗布した版材面に同一画像を反復して焼き付けて、同一面に同一画像のある多面の印刷版をつくることをいいます。雑誌などの表紙、ラベルなどの小サイズの画像を数多く焼き付ける場合に利用されます。
(同意語)殖版焼付け